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月刊メディカルサロン「診断」

白馬の王子様月刊メディカルサロン2004年6月号

ドラマでも現実でも人気の「白馬の王子様」

「いつかきっと、素敵な人が現れて、私を幸せへと導いてくれる」

そのよう願っている女性が多いようです。「白馬の王子様」思想とでもいうのでしょうか。夢を見ていないとやりきれない何かが女性の人生にはあるのでしょう。

そのような構成の小説やドラマもよくあるようです。「売れないシンガーだったけれど、ある実力者と知り合って、有名歌手になれた」「売春婦同然の生活だったけれど、そんな私を認めてくれて大社長の婦人になれた」などの内容です。それらに共通する人が多いのは、やはり根強い「白馬の王子様」思想があるのでしょう。「本人の実力はなかったのに」という前提条件が多いようです。単純に「運」の問題だけにしたほうが、共感を呼ぶようです。

現実に向き合い、成長を遂げることが大切

思うようにいかない、なぜ自分は幸せになれていないのだろう、と不運を嘆いている友達同士が、傷をなめあって、慰めあいながら、「いつかはきっと・・・」と願ってしまいます。そんな女性どうしの会話は弾むようで、女性の長いおしゃべりの因をなします。この思想を持つ人が会社内でも私語の集団を作ってゆきます。

「白馬の王子様」思想をうかつに持つと、日ごろの生活に油断と隙が現れます。その結果、本人が成長できません。成長とは厳しい現実と真正面から戦う中で身に付けていく何かから生まれるものだからです。20歳代をこの思想と共に過ごした人は、実力なき人間へと育っていきます。

仮に、「白馬の王子様」思想で20歳代をすごした人の前に、白馬の王子様が現れたとします。白馬の王子様は、その女性を選ぶのでしょうか?

答えは「選びません」です。

出会うまでの「運」の問題が大きく関与します。出会ったあとは人間的実力の勝負です。白馬の王子様の出現を夢見て、「こんな私だけど、いつかは素敵な人が現れて・・・」と願っていたために、隙だらけの人生になっている人はすぐにそのことを見抜かれてしまいます。白馬の王子様はそのような人を選びません。一個の実力体として、見事に成長している女性にのみ、白馬の王子様は惹かれるのです。

自己の実力を築ける女性が社会にも貢献できる

最近は、20歳代で急成長できる女性をよく見かけるようになりました。幼児期に抱かされた「白馬の王子様」思想を振り切ることができて、自己の実力にこそ頼る何かがある、将来の安定やゆとりは、自ら築いた実力から生まれる、ということに目覚めている女性が増えたのでしょう。

日本国民の精鋭化が進み、日本社会が大いに成長し、世界に冠たる日本国家が完成することを私は願っています。

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