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月刊メディカルサロン「診断」

メディカルサロンの背を伸ばす医療月刊メディカルサロン2005年5月号

「病気ではない場合」の医師の対処法は・・・?

学校で背の順に並んだら一番前になってしまうような背の低い子供をつれてお母さんが小児科の診察室にいます。担当医は語ります。

  • 「お子さんは病気というわけではありません。体質的に低いというだけです」
  • 「何か背を伸ばす方法はないのでしょうか?」
  • 「内分泌不全性低身長症などの病気でしたら、成長ホルモン注射を使って背を伸ばせますが、病気というわけではないですので、それはできません」

結局、お母さんは「自分の子供は病気ではなかった」という結果だけをもらって帰ることになります。悩みを解決してもらえません。それが日本の国民皆保険医療の現状です。
国民皆保険医療のシステムの中、「病気を治療する」という目的のみでないと医療サービスを提供してはいけない、とその担当医は思い込んでいるのでしょうか。

担当医は慰めるつもりで語ります。

「そのうち、ぐんぐんと背が伸びることもありますから」

小学校時代に背がクラスで一番低かった子供が、その後大逆転して平均以上に背が高くなることは滅多にない、ということは多くの医師が知っています。まさにただの慰めです。

ただの慰めでなく、患者の希望に正面から取り組む

小児科医は次のようにも語ります。

「背が低くても立派に成功している人もいるのだから」

その子供が大人になったとき、小児科医との縁はなくなっています。これは無責任です。背が低いまま大人になった人が、「自分が彼女にふられたのは背が低いせいだ」「出世できないのは、押し出しがきかない、この背の低い身体のせいだ」・・・と、背の低さを大きなコンプレックスに感じ、ものすごく悩んでいる大人に出会うことは、小児科医にとって皆無なのでしょう。

内科医である私は時々出会っています。もちろん背が低くても立派に成功している人は大勢いますが、社会の現状には目を向けないといけません。「うちの子は病気ではないとのことですが、諦めるわけにはいきません。成長ホルモンを使えませんか?」「病気でない場合、成長ホルモンを注射で投与しても、背が伸びるというわけではありません」あきらめさせるために、小児科医は語ります。
保険医療制度の枠組みの中での防衛本能です。しかし、この話は大嘘です。成長ホルモンを上手に使えば、背は伸ばせます。
メディカルサロンでは、14年前の誕生の時から保険医療は行っています。健康管理指導をテーマとして、長生きできる身体、体調絶好調の身体、容姿見事な身体を作ることに取り組んでいます。その目的のために医療をフル活用しています。

自信あふれる体を作ってもらうために、あるきっかけから小児に対する「背を伸ばす医療」にも取り組んできました。

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