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月刊メディカルサロン「診断」

医学は「病気の治療のため」だけではない月刊メディカルサロン2006年10月号

もともと、医学というのは病気を治療するためのものでした。「頭が痛い」「お腹が痛い」「下痢をした」「血圧が高い」「肝臓が悪い」…それらを治療するために医学は存在しています。そして、ほとんどの医師が病気を治療することに従事しています。

医師になって4年目の若い頃、私はそんな現状を見つめ直していました。優秀な先輩、同輩、後輩が、病気を治療するために一生懸命に仕事しています。私もその1人でした。先輩たちの姿を見るにつけ、私もその一員になるしかないのだろうか?皆が取り組んでいる病気の治療は先輩たちに任せておいても十分に進歩する。私が取り組まなければ、まったく進歩しないという分野はないのだろうか?

そんな矢先、予防医療が未熟であることを発見しました。先輩医師たちは、人間ドックを実施して高血圧やコレステロールやガンの早期発見を語っていれば予防医療である、と思い込んでいます。ということは、「私が見ている限り、あなたに健康上の不測の事態は起こらない。ずっと若々しくて活力あふれて長生きできる」という医療が存在していないのです。私はそこに着眼し、その分野の医療を私の力で築き上げてみせる、と決心しました。四谷メディカルサロンを興したきっかけです。

それ以来14年、私は、病気の人への治療ではなく、「今現在、健康でぴんぴんしている人に、どのような医療を提供できるか」を研究する毎日になりました。多くの人と会話し、その会話から得たものをメディカルのチャンネルの中で分析、再検討し、考え得る有効な医療サービスを捻出する毎日です。

見渡してみると、進歩した医療を活用するべきなのに、置き去りにしてしまっている分野がたくさんあります。その典型例が、「わが子の頭を良くする医療」です。「子供の頭を良くしたい」と親が願っても、現状は「塾に行かせる」「家庭教師をつける」ことぐらいしか、思いつきません。しかし、進歩した脳科学を少し応用すると、「子供の集中力を高める」「記憶力を高める」「長時間勉強しても飽きない脳内構造にしてあげる」「きれない柔軟な精神構造にしてあげる」などは比較的容易です。その結果、子供が勉強を好きになってくれれば、あとは「好きこそものの上手なれ」で、学力優秀な子供へと育つでしょう。

疲労回復もその一例です。「疲れやすいのです」と訴えて病院を受診しても、病気が見つからなければ、「年のせいでしょう」で終えられてしまいます。「疲れやすい」という事態を解決してあげる医学が、十分に研究されていません。

これらの「子供の発育学」「疲労回復学」以外にも、「身体能力向上学」「知的能力向上学」「身体美学」「意欲向上学」「体重管理学」「リフレクソロジー学」「身体矯正学」などは、すべて医師が取り組み忘れている分野です。また、「治療のベストチョイス学」「突然死予防学」「ガン予防学」などは、もっと本腰を入れなければいけない分野です。

私が率いるメディカルサロンは、それらの分野を切り開いていく軍団であるべきだと思っています。

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