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月刊メディカルサロン「診断」

体調管理に四態あり月刊メディカルサロン2010年10月号

私は日ごろから、「健康管理には、まず目標設定が大事である」と説いています。その目標とは、「90歳を超えても、頭脳明晰で、自分の足でどこにでも行けて、見た目の姿は50歳」というものです。このような身体作りを目標として、若い頃から健康管理に取り組むのです。

90歳で生きているためにどうするべきか。それが寿命管理であり、それを支えるのが「予想医学と先回り予防」です。自己の身体を調べ、「もし90歳までに死んでしまうとしたらどんな病気か」を予想し、予防に取り組みます。予想医学を学問として大成させることが、私の使命の一つであるのは言うまでもありません。
その寿命管理に対し、体調管理、容姿管理の概念を打ち出し、私は「健康管理に三態あり。すなわち、寿命管理、体調管理、容姿管理である」と述べてきました。
容姿管理とは、「颯爽とした、あるいは溌溂とした若々しい姿を維持し続ける」ということですが、そこに美容外科を導入するのは、世間的評価はともかく、私の思想には合致しません。しかし、医師の手による容姿管理の追求は、なかなか困難な要素も多いので、私が率いるメディカルサロンでは、エステティシャンの手を借りるべきだという方針を立ててきました。それは周知のことと思います。

さて、今回は、体調管理に関して語りたいと思います。
自分の身体で今の生活を楽しむためには、体調絶好調でなければいけないのは言うまでもありません。

体調管理上まず重要なのは、身体が自由に、思う存分に動くということです。痛い、痒いなどの症状がなく、関節の柔軟性もあり、筋肉の瞬発力、運動の持続力にも優れていなければいけません。当然、長時間の運動を支えるための心肺機能も重要です。これらの能力を「身体能力」といいます。この身体能力の維持・向上をどうするべきかは、体調管理学という学問において大きなウェイトを占めます。

次に、頭が冴えていなければいけません。物忘れは乏しく、計算力、空間認識力などの脳の機能がしっかりと維持されていることが大事です。これを知的能力といいます。知的能力を高めるためにどうするべきかも体調管理学上の重要課題です。

身体機能と知的機能が維持されていれば、楽しい人生を送れるのでしょうか?決してそうではありません。生活を楽しんでいくためには、さらに体調管理上の機能が二つ必要になるのです。

その一つが「意欲」です。「何かいいことありそうな予感がして、ウキウキ楽しい気分になれる。人混みが気にならず、どこにでも出かけていきたいという気分になれる。新しいことに興味を持ち、チャレンジする気持ちになれる」というものです。実は、この気持ちが生活を楽しむためには最も大切で、体調管理学の重要な一面を担っています。仮に病気にかかっても、あるいは、辛いことや苦しい事があっても、この「意欲の力=気力」で乗り越える人がたくさんいるのです。「意欲向上のためにどうするべきか」は、まさに体調管理学の中核と言ってもいいくらいです。私はこの意欲向上を目的として、成長ホルモンの舌下投与スプレー剤を盛んに利用していますが、絶大な成果を挙げることができています。また、ゴルフを中心とするコミュニケーションシステムを作ろうとしていますが、それも意欲向上を目的とする健康管理学追求の一環です。

そして、体調管理上もう一つ重要なのが、「疲労回復力」です。人は気分が乗れば、疲れきるまで活動しようとします。その疲れから回復する力が疲労回復力です。疲労には身体疲労、脳疲労の二分野がありますが、その両者の回復力を高めるためにどうしたらいいか、というのも体調管理学の一つであります。

以上をまとめると、「体調管理に四態あり。すなわち、身体能力、知的能力、意欲、疲労回復力である」ということになります。

様々な取り組みの中で、体調管理学を学問化させ後世に残していくことは、まさに、私の生涯テーマのひとつです。

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