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月刊メディカルサロン「診断」

日本人を困らせる体質の三大特徴月刊メディカルサロン2014年1月号

長年、閉鎖された島国で生活してきた日本人には、戦国時代、江戸時代を通り過ぎる中で、諸外国と比べるとかなり異なる三つの体質的特徴(弱点)が生まれました。

特徴1.太りやすい

日本人は太りやすい日本人は、江戸時代の三大飢饉や戦国時代などの「飢餓との戦い」の中で、体質的に消費エネルギーの少ない人が生き残ってきた歴史を持っています。同じ生活をしていても、体質的に消費エネルギーの多い人は、飢餓の中で早く死んでいったのです。

遺伝子検査に「β3アドレナリン受容体多型解析」というものがあります。β3アドレナリン受容体は、脂肪細胞内の中性脂肪を分解することに関与しますが、すべての人はTT型、TA型、AA型に分かれます。「A」が入っていると、同じ生活をしていても一日の消費エネルギーが少なく、基礎代謝レベルで約200キロカロリーの差が生まれます。運動による消費も少なく、一日あたり500~2000キロカロリーも燃焼し損ねることがあります。日本人には、この「A」が入っている人、つまり、TA型、AA型の人が非常に多いです。

「飢餓との戦い」を切り抜けて生き残った日本人は、結果として低栄養に強い体質になりました。このことは逆にいえば、ちょっと食べるだけで太りやすい体質である、ということになります。「そんなに食べていないはずなのに・・・」という人が確かに多いのです。

欧米人は肉食中心で大量に食べますが、それでも異常な太りすぎはまだ少ないといえます。日本人が同じように肉食中心にバクバク食べたら、とんでもなく太りすぎてしまうでしょう。

特徴2、糖尿病が多い

先進諸国と比べて、日本人には糖尿病およびその予備軍が非常に多いです。前述したように、過食に弱い体質ですから自動的にそうなるのです。これには日常の食生活も関与しているかもしれません。ご飯を中心とする炭水化物の摂取が多いのは確かですが、日本人は特に小豆を好みます。つまり、アンコです。血糖値の上がりやすい食べ物を好んでいるのは確かです。糖尿病の人はアンコを使った菓子を好む人が多いのは間違いありません。

特徴3.腸が長い

よりしっかりと消化吸収するためにそうなったのかもしれません。腸が長いということは、摂取物の腸内滞留時間が長くなり、便秘傾向が生まれます。また、食生活の欧米化に伴って、大腸ガンが増えやすくなります。現に、女性のガン死因の第一位は大腸ガンです。これは、腸が長いことと便秘傾向が多いことに大いに関係しています。

弱点をカバーする方法があった!

遣欧管理を指導する立場として、日本人がこの三つの特徴=弱点をもともと持っていることには当然注目します。日常生活に密着した飲食物で、この三大弱点を自然にかわす方法はないかと模索しました。

そんな矢先、窯暗い時代に栄西が記した「喫茶養生記」を知ったのです。この一節に

「のどが渇いて、尿がたくさん出る病気がある。その尿にはアリが群がってくる。その病気を飲水病という。飲水病に対しては、桑の葉を煎じて飲ませれば治る」

と記載されていました。時空を超えた衝撃を受けた気分でした。飲水病というのは、今でいう糖尿病のことです。人の身体は昔も今も一緒だったんだなあ、という感動です。その感動はさておき、重要なのは「桑の葉を煎じて飲めば治る」の部分です。

桑の葉がもつ優れた成分

桑茶を利用する近年、桑の葉成分に関して研究が進み、「糖尿病を治す」と記載された成分が分離同定されました。科学名を「1-デオキシノジリマイシン」(略して、DNJ)といいます。

DNJは、小腸内のある消化酵素の作用をブロックして、炭水化物の吸収を抑制し、血糖値の上昇を抑えます。吸収されなかった炭水化物は大腸に送り込まれ、大腸内で腸内細菌により分解されて、水と二酸化炭素になります。水は便を軟らかくし、二酸化炭素は大腸運動を活発にします。合わせて、腸内通過速度を速めます。

まさに、日本人の体質の三大弱点をカバーするための成分です。その成分を含む桑の葉が、明治維新に日本を栄えさせた「蚕→絹」の大元になっていたことには感慨深い思いがします。

「太りやすい」「糖尿病になりやすい」「腸が長くて便が滞留する」という日本人の弱点体質をごく自然にカバーできるという点に関して、現時点においては、桑茶を利用するのが最も優れているように思います。

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