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月刊メディカルサロン「診断」

日本に健康教育を布く月刊メディカルサロン2015年7月号

世界最高峰の社会を実現するために

大勢の人々が生活している日本の社会。この日本社会を世界最高峰の社会にするために、取り組まなければいけない課題がいくつかあります。その一つが、「全国民の健康、医療、人体に関する知識の向上」です。
高齢化が進む日本社会において、医療、介護の問題は切り離せません。「医療、介護」は言うまでもなく「人体の問題」です。
さて、人体に関して、日本国民はしっかりとした知識を持っているのでしょうか?答えは「持っていません」です。なぜ、持っていないのか?それは「学ぶ機会がなかったから」です。

何も知らない子羊、何も要求しない子兎

生涯の間に絶対に必要になることは、ほとんどを義務教育で学んでいます。読み書き、計算、地理、歴史、道徳などです。しかし、生涯にわたって必要なのに、学んでいないことがあります。それが、「人体、医療、健康」です。面白おかしく編集されたテレビ番組があるくらいで、系統的に学ぶ機会は皆無と言って差し支えありません。この分野の知識の乏しさが、人生の後半において様々な混乱を導き出しています。
40兆円を超えようとしている莫大な医療費は、まさに、国民の健康、医療、人体の知識の乏しさがベースとなっている要素が大きくあります。本来は、医療関連従事者が健康教育に取り組むべきなのですが、医療費が増えることを心の奥底で望んでいる人はその意志を示しません。健康教育が進むと、医療費が減る予感がしているからです。
国民が人体に関する知識を身につけて、診療現場で色々質問してくることなど、医師は想像したくもありません。患者が知恵をつけて、自己の信条や生活観との接点を求めてくることなど、医師にとっては煩わしいだけです。具体的には「信仰の都合上、輸血は困るのですが」と言ってくる患者は、医師にとっては、面倒で論外な存在になるのです。医師の立場では、患者は「人体に関して何も知らない子羊、何も要求しない子兎」であってほしいのです。

そして今、声高に

国民の健康、医療に関する知識を向上させなければいけない
そのような思いを描いて、平成4年に私は四谷メディカルサロンを創業したものです。

当時の私は、「健康教育」という言葉を口にすることができませんでした。まだ20歳代で、「教育」という単語を使うことに憚り(はばかり)を感じたのです。ですから、その頃は、「健康管理の学問化と、その学問に基づく実践指導」を標榜していました。
その診療の実態は、「診療を通じて健康教育を推進する」というものでした。健康管理の指導=健康教育の推進、とみなしていたのです。四谷メディカルサロンにおける私の診療は、一般の健康保険診療とは根本的に異なるものとなりました。一人当たり1時間という時間をとり、家庭教師風の勉強会のような診療になったのです。健康管理や健康教育の分野は健康保険の適応になりませんので、自由診療でのスタートになりました。
しかし、このスタイルの診療が、特に会社を率いている経営者の皆さんに気に入っていただくことができて、その後の継続性を維持することができました。
30歳代になって、活動の傍らに小さく「全国民の健康、医療に関する知識の向上」を掲げるようになりましたが、「健康教育」という単語を使うことにはまだ憚りを感じました。
40歳代になって、「教育」という単語を使うことに抵抗が薄れてきました。NPO法人日本健康教育振興協会(後に社団法人)を設立したのはその頃です。
50歳代を迎えて、私は何気なく、何の抵抗もなく、「日本社会のために健康教育を推進しなければいけない」と口に出しています。年を取らなければ言えないこと、口にできないことがあるのです。

健康教育を推し進める私のアクション

日本にあまねく健康教育を布く」というのは、本来は国家が予算を組み取り組む課題です。しかし、今の日本社会は、日本国民の健康、医療、人体に関する知識が乏しいことに安住して、利権をむさぼっている勢力が強い力を持っていますので、国家事業として取り組むことができません。今後もできないであろうと思います。
だから、私が民間事業として健康教育事業を構築し、推進させなければいけないのです。民間で行うときは、資金的な継続性をどうやって維持していくかが重要課題になります。活動資金が尽きた時、その事業は終焉を迎えるのです。日本国家のための事業を、国から予算をもらうことなく、自ら資金を得ながら遂行しなければいけないのです。

私はそのために、日ごろから皆さんの目に見える「診療を通じて健康教育を推進する」(いつもの診療)、「文章、絵、イラスト、写真、映像を通じて健康教育を推進する」(たとえば、この月刊誌、著作物ホームページなど)という活動以外に、下記の3つの活動を起こしています。

  1. 「栄養素を通じて健康教育を推進する」
    身近な栄養素で健康に役立つものはサプリメントになっています。その成分には関心持つ人が多いので、その関心を利用して健康教育を推進しています。
  2. 「サロン拠点を通じて健康教育を推進する」
    顧客と長く接して役務サービスを提供している業種があります。エステティック、整体、美容などです。その職種の人たちが、眼前の顧客に健康教育を推進できる事業を築いています。
  3. 「資格制度を通じて健康教育を推進する」
    系統的に学ぼうという人のために、励みとなる資格制度です。予想医学エデュケーター資格を設けていましたが、それを分解して、予想医学検定3級、2級、1級を完成させるつもりです。

以上3つが、順調に進展することを願っていただければ幸いに思います。

健康教育をあまねく布いたら、国民医療費は減るのでしょうか?それはわかりません。より高次の医療成長を成すであろうと予想されるからです。
しかし、無駄、無意味な医療消費は激減し、効率的な医療消費になり、医療機関のレベルは向上します。そして、人生の後半において、自己の身につけた知識を武器として、余計な悩みや不安を持たず、より文化的な生活を送れるようになることも間違いないのです。日本に健康教育を布く

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