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月刊メディカルサロン「診断」

朝鮮問題に関して掲載日2017年8月31日
月刊メディカルサロン10月号

1910年8月29日、日韓併合条約が発効しました。100年以上経過した2017年の、その8月29日、日本上空を北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が発射したミサイルが通過しました。それを知った南の韓国(大韓民国)の国民はどう思ったことでしょうか?韓国内の反日運動を続ける人たちにとっては、「何もしなかった我が国より、北朝鮮の方が頼もしい」と思ったかもしれません。
我々が北朝鮮という国を強く認識し始めたのは、「拉致問題」がきっかけのように思います。最初の認識がこの拉致犯罪という行為であったので、「北朝鮮=悪の国」というイメージが我々に植え付けられ、それから脱却できていません。北朝鮮が何をやっても、悪の国、という先入観が存在します。

北朝鮮の悪を論じると、日本国民の共感を多く得られます。だから、視聴率重視のマスコミは自然と、北朝鮮を悪として報道する方針を取ります。マスコミがそのような癖を持っているのは、もはや周知のことです。仮に北朝鮮が、国内的に善政を布いていても、悪の話として作り替えられた報道がなされるのではないでしょうか。だから、北朝鮮の真実の姿がますますわからなくなってきます。

なぜ、北だ、南だ、というのかというと、朝鮮民族が2つに分裂しているからです。厳密には分裂させられているからです。我が国「日本」が、戦後に利根川を境に、北日本と南日本に分裂させられていて、北と南の統治機構が異なっていたら、我々の日常がどうなっているかを連想してみると、同情的な考え方も必要かな、と思うこともあります。
東ドイツに西ドイツ、北ベトナムに南ベトナム、同じ民族が分裂している国は、今や朝鮮民族だけかもしれません。もともとは、本質的には仲良しの仲間が集まる一つの民族であったのに、それが分裂している、ということに焦点を当てて、一連の経緯を勉強しなければいけないと思いました。

第二次大戦の終戦が近づいたころ、戦後処理の問題の話し合いは、○○会談の名前で、終戦の前から繰り返されました。その結果、朝鮮半島は、民族内部からの激しい独立運動もなかったので、グアムやサイパンと同様の信託統治案もあったようですが、北と南に分割し、北をソ連が、南を米国が、「面倒を見る」という方針が策定されました。この時点で強力な民族指導者がいれば、朝鮮半島は、その者を中心とする1つの国になっていたかもしれません。
結局、朝鮮半島は、他者の力で分割された状態になったのです。親子、兄弟、一族が離れ離れにされたことも想像がつきます。その分割状態を一つに戻したい、と願うのは、自然の成り行きかもしれません。

そんな矢先、終戦後5年ほどたった時に、北部にいた金日成氏が、軍を率いて南部に侵攻しました。金日成氏がどんな思惑で攻め込んだのかは知りません。しかし、兵を率いて軍事行動を起こしているのですから、兵に納得させるための大義名分を掲げていたはずです。それが、「戦勝国の思惑で分断された南北朝鮮を統一する」という名分でないはずはありません。日本も太平洋戦争においては、大東亜共栄圏を大義名分にしていたのですから、容易に想像がつきます。
金日成軍は、南側の準備不足の虚を突いたので、たちまち深くまで攻め込み、釜山周辺のエリア以外をほぼすべて手中に収めました。進撃が早かったのは、朝鮮半島の民族の支援を受けていたからかもしれません。金日成氏の立場では、同胞が一つにまとまって、祖国が一つにできる、という思いに満ちたことでしょう。
そこから逆転攻勢に出たのが、米軍を主力とする多国籍軍でした。韓国軍も少数参加していましたが、軍需物資の横領事件なども引き起こしていますので、民意を得た本気の戦争を起こす軍と言えるものではなかったのかもしれません。
米軍主力の多国籍軍は、釜山から攻め返し、仁川上陸作戦の成功もあって、中朝国境まで押し返しました。しかし、建国して間もない中国の義勇軍の参戦を招き、そこからの戦争膠着状態の結果、38度線を境とする今の南北分裂の状態が完成したのです。
金日成氏の心の中は、「米軍さえいなければ、今頃は、朝鮮半島は一つの国だったのに」という思いなのではないでしょうか。その一つの国の体制が、中国型の一党独裁形式になったか、アメリカ型の自由を謳う国になったのかは、わかりません。当時は、金日成氏はソ連、中国の影響を受けていたので、一党独裁制になった可能性の方が大きいかもしれません。どちらの国家体制の方が正しいかなどは、はるか未来にならないと決着はつきません。どちらにしても、戦勝国により分断されたわが国を一つにしたい、という思いであるように思います。

我々が、北朝鮮=悪の国、という先入観から脱出できないように、「米軍がいなければ朝鮮半島は一つの国家になっていた」という思いから脱却できないのは当然かもしれません。金日成氏の思いが、息子、孫に引き継がれているとしたら、金正恩氏の思いは、「米軍憎し」と「祖国統一」「同胞が二つに分裂しているのはアメリカのせいだ」に行きつくのだろうと推測できます。

ところで、日本、米国は、南北の朝鮮が一つに統一されることを願っているのでしょうか?

私はこういう分野において、日常、強烈な経験の中で生活しています。
私の悲願、というか、生涯テーマは、「健康管理の学問化」と「全国民の健康、人体、医療に関する知識の向上」です。この月刊誌を読んでくださっている人たち、日常的に私と接している人たちは容易に理解してくれています。
しかし、その私の悲願を実現されたら困る勢力が医療社会には存在します。放射線検査を主力として早期発見・早期治療を訴え、ドック施設やそれを束ねる「予防何とか協会」を作っている勢力や、「患者は何も知らない子羊でいてほしい」と願う勢力です。
私は悲願の実現途上で、患者側と豊富なコミュニケーションをとるうちに、食欲抑制剤を使うダイエットシステムや、成長ホルモン・プラセンタを使うアンチエイジング医療子供の背を伸ばす医療などの新しい医療体系を、派生システムとして築いてきました。それらの診療システムは健康保険外のシステムになります。
私の悲願成就が困る勢力は、その派生部分を必死に非難しようとします。私の生涯テーマの至高性を知ってか知らずか、とにかく自己勢力の維持の都合上、派生システムに対して、未経験な連中が、勝手な机上の論調を作って、枝葉末節部分を非難するのです。「健康保険で認められていない医療は悪である」の論調も目立ちます。そして、その勢力が、私の生涯テーマの至高性を論じることは決してありません。聞こうともしません。

ここで、南北朝鮮の問題に関して考えてみたいものです。
「南北の朝鮮が一つにまとまる」と考えたくない日本人が多いようです。拉致問題の喧伝で、日本人の心には、「北朝鮮=悪い国」のイメージが浸透しているからです。統一ではなく、滅ぼされることを願っているかもしれません。しかし、だからと言って、「韓国=善の国」というのも昨今の出来事、特に韓国の裁判所の判決を考えると納得できないものを感じます。
一方で、「統一されると困る」という思惑を持つ国があります。軍需産業に寄りかかる米国はそうですし、軍事に関する憲法改正を目論む日本もそうです。

命を狙われている恐怖にかられる金正恩氏の「跳ねすぎ」という問題はもちろん存在しますが、統一されたら困る人たちの思惑が、北朝鮮情勢をつくりあげている、と言っても過言ではないような気がします。北朝鮮が実際に実行しているミサイル発射、核開発などの枝葉末節を論じて非難しているだけだからです。それぞれの国の思惑の実現を画策するより、穏やかに南北を統一させてあげる方法を論じてあげてほしいものだと思います。

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