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月刊メディカルサロン「診断」

成長ホルモンを知る~気力、体力、容姿の回復を目指して~掲載日2018年3月3日
月刊メディカルサロン4月号

成長ホルモンの舌下投与型スプレー

1990年代後半、遺伝子解析に一定の成果を上げた先進国の医学研究機関は、「容姿、体力、意欲の回復」をテーマとするようになり、容姿、体力、意欲の回復を目指す医学を芽生えさせました。その結果、「気力、体力、容姿を回復させる」という目的で、副作用の不安なく、日常的に使用しやすいものとして、成長ホルモンがクローズアップされたのです。
当初、 成長ホルモンは注射で使用され、6ヶ月の容姿、体力、意欲の回復コースで2万ドル(200万円以上)が通常でした。この高額コースに多くの富裕層が殺到したものです。当時は日本にも、その出先となる医療機関がありました。

プライベートドクターシステムを運営し、「会員の健康管理指導」を行っていた四谷メディカルサロン(クリニック)では、成長ホルモンの効果に注目し、研究を重ね、使用のメリットに自信と信念を深めて、診療所内で舌下投与スプレー剤を完成させました。研究者として大学院時代を送った私が、研究者時代に培った技術を活かして、診療所内調剤に成功したのです。個人輸入などの保管期間不明の怪しい漠然としたものではなく、また、未承認薬でもなく、正々堂々とした承認前医薬品※として、処方することができるのです。

※承認前医薬品・・・点滴、塗り薬、風邪治療の紛薬など、承認された医薬品を医療機関内で組み合わせて混合させて調合した医薬品のこと。

心に与える作用・・・意欲の回復

加齢に伴い、心が衰えます。積極性やチャレンジ精神、いろいろなことを楽しんでいこう、という気持ちが小さくなり、何かにつけて億劫になります。家に閉じこもりがちになります。意欲、気力が衰えてしまい、人生を楽しめません。
繁華街で若者が盛り上がっている姿を見かけます。あの人たちの心の中は、「なにかいいことありそうな予感がする」という気持ちで満ちているのです。その気持ちが、活動意欲、心の盛り上がりの大元です。年とともにその気持ちは失せてしまい、「どうせいいことなんかない」という気持ちに置き換わり、外からは「おちついた」と言われ、自分的には、「億劫だ」という気持ちになるのです。

「なにかいいことありそうな予感がして、ウキウキする」

実は、それが成長ホルモンの脳内作用なのです。成長ホルモンを使うと、2~3週間もしないうちに、その気持ちがよみがえり、活動的で、人生を楽しもうとするポジティブな心を取り戻すことができるのです。
家に閉じこもっている高齢者が利用すると、「デパートに行きたい」「海外旅行に行きたい」と言うようになります。

蛋白同化作用

肉や魚、大豆は蛋白質食品といわれます。これらを食べたら、腸の中で消化されて、バラバラのアミノ酸になり、吸収されたらそれらのアミノ酸は、体内の各部位でつなぎ合わされて、自分の身体用のタンパク質へと作り替えられます。
自己の身体の成分としてのタンパク質に作り替える作用は、医学的には「蛋白同化作用」といわれます。
この蛋白同化作用は、身体の文夫さ、若々しさにとって、非常に重要な作用です。しかし、加齢に伴い哀えるのです。
蛋白同化作用が衰えると、筋力が低下します。持続力や瞬発力も低下します。爪が脆くなり、髪が弱々しくなり、肌質が衰え、皮下組織のボリュームが低下してしわができ、そして、免疫力が低下します。
筋肉、皮膚、爪、髪、骨、抗体、酵素など、人体の構成成分はすべてタンパク質でできています。そのタンパク質を作り出す作用が衰えることは、まさに老化そのものとなります。

成長ホルモンは、その蛋白同化作用を高めるのです。筋肉の瞬発力、持続力を高めますので、スポーツ競技ではドービング薬物になっています。しかし、異常な大量投与をしない限り、副作用の心配はありません。

※手術後などで、体力を消耗しきって、動きづらくなる高齢者がいます。そんな高齢者の体力を回復させるために使用される医薬品(プリモボラン)があります。その医薬品も、体内の蛋白同化作用を高める医薬品なのです。

使い始めたら・・・効果の証明

使い始めたらすぐに、「夜間のトイレ回数が減る」「熟睡度が高まる」「朝から元気になる」などの効果を感じます。また、夜間に目が見えやすくなったという人もいます。
2~3週間たった頃に、爪をよく見てください。爪が丈夫になり、伸びるのが早くなっているのがわかります。それが、体内で蛋白同化作用が高まっている証明となります。
蛋白同化作用が高まると、体内には見ない効果がたくさん現れていることになります。髪が伸びるのが早くなり、筋肉と骨が丈夫になり、肌質が良化します。また、抗体産生能力が高まって免疫力が強くなります。同時に、酵素産生能力が高まるので、体内の化学反応の速度が速まります。
その頃、朝から元気で、妙に意欲的になり、物事が億劫でなくなっていることに気がつきます。ポジティブになった自分に気がつきます。
そして、蛋白同化作用の一環として、皮下組織のボリュームを作るヒアルロン酸の合成能力も高まりますので、肌にハリが出てくるのです。
気力、体力、容姿が、回復していくのです。

内臓脂肪の減少とバストアップ

若い時は、多少太ってもお腹は出てきません。30~40歳を超えると、太るとすぐお腹が出てきます。これには成長ホルモンが関係しています。
腸の周囲には、「ホルモン感受性リパーゼ」という脂肪分解酵素があります。この酵素の活性が高いと、腸の周囲の脂肪は分解されて、内臓脂肪はつきにくいのです。その酵素の活性を高めるのが、成長ホルモンとアドレナリンです。アドレナリンは、緊張状態の運動をするとある程度増えてきますが、成長ホルモンは加齢に伴い、必ず減少します。
だから、年をとると内臓脂肪がつきやすくなります。成長ホルモンを使用し始めたら、本能的に運動したくなりますので、軽く運動してみてください。内臓脂肪が集中的に落ちてきます。

女性の場合、成長ホルモンはバストアップと関係します。10歳前後の時に、乳腺にラクトゲン受容体が発達します。そのラクトゲン受容体に成長ホルモンが作用するとバストが大きくなるのです。遺伝や栄養の関係で、10歳代にたまたまラクトゲン受容体が発達しないことがあります。その場合、バストは大きくなりません。
しかし、20歳代を超えて、ラクトゲン受容体が発達してくることがあるのです。その場合、せっかくラクトゲン受容体が発達したのに、今度は成長ホルモンが足りません。そんな人が、成長ホルモンを使うと、20歳代、30歳代で、急にバストアップすることがあるのです。

投与の仕方と投与期間、併用サプリメント

容姿、体力、意欲の回復目的での投与量に関して

  • 3ヶ月用は、1回2プッシュで1日3回。5日連続で使用したら、2日間休みます
  • 1ヶ月用は、1回3プッシュで1日3回。5日連続で使用したら、2日間休みます
※2日間休んでも休まなくても、自己成長ホルモンとの兼ね合いが影響して、体感する効果はほぼ同じです。だから、長持ちするように2日間お休みします。毎日使うと副作用がある、というわけではありません。
※1日の最後の使用は、寝る2時間前までに終えてください。寝る直前に投与すると、寝入りばなの自己成長ホルモンの分泌が減る可能性があります。
※上記の投与量の3倍を投与しても、副作用的な問題はありません。希望する人は3倍量まで増やしてかまいません。

投与期間に関して

舌下投与スプレー剤の場合は、投与期間の制限はありません。10年以上使用し続けている人もいますが、長期連用の副作用問題はありません。

※医師によって処方される成長ホルモンの舌下投与型スプレーは、承認されている医薬品を診療所内等で適正に調剤したものです。
※投与量、投与回数などは、処方された舌下投与型スプレーにより異なりますので、処方された際の担当医の説明に従うようにしてください。

併用するとよいサプリメント

  • 肌への効果を増強させたい場合、プラセンタ、グリシンの併用をおすすめします。成長ホルモンは、皮下組織のボリュームを増やしてハリを回復させます。しかし、素肌そのものをきめ細かくしたり、白くしたりする作用は乏しいです。だから、プラセンタ、グリシンとの併用はキーになります。
  • 体力の回復を増強させたい場合、アミノ酸の一種のアルギニンが功を奏します。

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