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月刊メディカルサロン「診断」

ヘルスデザイン研究会発足の意図月刊メディカルサロン1998年7月号

日本の医療にはさまざまな問題が内在しています。「説明不足」「ガン告知」「検査づけ」「薬づけ」「3時間待ちの3分診療」など医療現場での問題がありますし、医療法や保健医療など制度に関する問題、さらに健康保険組合の財政に関する問題もあります。まだ、解決の方法は見つかっていません。日本は解決の道を広範囲な観点から模索している途中でしょう。

医療現場での患者側の立場からは大きな問題が3つあります。

第1の問題は「説明不足から生まれる不安、不満」それに続発する「検査づけ」「薬づけ」です。それを解決する糸口を考えてみましょう。「腎臓ってどこにあるんですか」「膵臓ってどこにあるんですか」「インスリンって何ですか」などと言っているようでは、医者が説明しようと思っても説明する言葉がでてきません。当然、説明しても患者側は理解できないでしょう。言語不通状態を解決するためには医師側が分かりやすい説明方法を工夫することも重要ですが、患者側が医療に対する基礎知識を向上させることも必須課題です。患者は「医師との会話」を成立させる最小限の知識は得ておかなければなりません。

第2の問題は「純粋な医療相談を受け入れてもらえる場がない」ことです。「毎年、肺のレントゲンで異常があるといわれていましたが、陳旧性肺結核だから心配ないでしょうといわれていました。ところが今年に限って同じ異常に対して至急入院して検査が必要ですといわれました。いったいどういうことなんでしょうか」などという相談をどこでしたらいいのでしょうか。その後の検査や投薬と関係しない立場の医師が純粋に相談に答えるシステムを医療界に創らねばなりません。その医師は医療の内側を熟知し公正無私な立場でなければなりません。

第3の問題は、「結果論に対する治療ばかり」という問題です。からだを管理する技術が稚拙であったために、重大な病気にかかってしまうケースが多々あります。日本の医療は健康管理を徹底的に指導し病気にならないようにつとめることより、むしろ、病気になってからの治療を重視しています。私が観察する限り現状の人間ドックの内容は健康管理指導をテーマにするにはあまりにも幼稚に思えます。学問化された健康管理を土台として展開される予防医療を私が伝授していかなければなりません。

「患者側の基礎知識の向上」と「純粋な相談窓口」と「健康管理学の伝授」

つまり・・・分かりやすい説明方法を考え出す。医療をやさしく学べるようにする。多くの人の健康不安や肉体への不満にナマの声で答える。世界中の文献を調査し、研究し、自らの経験で進歩させた健康管理学を伝えていく。これらは私に与えられた重要な課題です。

これらの問題解決の一助としてプライベートドクターシステムの会員には私自身がいつも接して応えてきました。その他の人には文章を介してしか応えていません。今後はできるだけ多くの人に私の直接の声で応じられるようにしなければならないと思っています。

そんなことを考えているうちに、私に課せられた前述の3つの使命をまっとうするための母体づくりの必要性を感じるようになりました。その母体組織として、ヘルスデザイン研究会を発足させ育てていかねばならないと思うのです。

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