HOME > エッセイ集 > 実と夢(じつとゆめ)

月刊メディカルサロン「診断」

実と夢(じつとゆめ)月刊メディカルサロン2000年8月号

私は、健康管理の学問化に取り組んでいます。その学問を健康管理学と名づけています。

ときどき次のような質問をされることがあります。「健康管理学って、要するに予防医学のことですよね」ものの道理がわかっていない人の質問です。

予防医学というのは、従来の医学(診断学、治療学、基礎医学)の延長上に位置付けられるものであって、医師という特殊な人間集団の中で築かれるていく学問です。

健康管理学は、医学を修めた者が、多くの普通に生活する人と交わって築いた豊富なコミュニケーションから誕生するものであって、従来の医学を再編成しながら育つ学問です。

具体的に言えば、「動物実験や医学的原理上、こうなっているんだから、全員がそうしなければいけない」というのが予防医学であり、「その人の生活信条やポリシーをよく聴取した上で、その人にマッチするように医学を組み立てなおして、指導していく」のが健康管理学の世界です。

従来の医学は、「内科学」「外科学」「精神医学」「婦人科学」「泌尿器科学」などの多数の各科に分類されますが、健康管理学が追求する内容の分類は、3つです。

1つは寿命管理学です。「とにかく長く生き抜く」ためにどうしたらいいかを研究していきます。「脳梗塞を起こさないためにどうするか」や「胃ガンにかからないためにどうするか」などの「重大な健康トラブルを起こさないようにするための身体づくり」だけでなく、この寿命管理のなかには「起死回生の治療学」が含まれます。「末期ガンから奇跡的に回復する」ためにはどうしたらいいか、などです。

もう1つが、体調管理学です。「体調絶好調。頭脳明晰で自分の足でどこにでもいける。痛い、痒いがなく、食欲旺盛で毎日が楽しい」を成し遂げるためにどうしたらいいかを研究していきます。体調を単に維持するだけではなく、「風邪をひいて高熱が出ていても、仕事にまったく影響させない方法」などの手法や「痛みの治療学」なども含みます。

最後の1つが、容姿管理学です。「若々しくいるためにどうすればいいか」を追及する学問です。「90歳を超えているのに、50歳と見間違えられる」ことを目的とします。

寿命管理学、体調管理学では、メディカルサロン内で学問的蓄積が急速に進行しています。8月下旬に上梓される私の著作「あなたの健康を保証する本」(知的生き方文庫、三笠書房)を読んでいただければ、わかりやすい表現の中に潜む内容の高度さに気付いていただけるでしょう。それらに比べて、やや遅れがちだったのが、容姿管理学の成長です。

その容姿管理学に、大きな可能性を秘めた素材を手に入れました。プラセンタのことです。プラセンタというのは胎盤を意味しています。胎盤から抽出した生理活性物質が正々堂々と医療用としての認可を受けて、医療現場で利用できるようになったのです。

たった1個の受精卵を一人の人間へと育てるための諸因子を提供する臓器である胎盤から抽出した生理活性物質ですので、いろいろな可能性を追い求めることができます。皮膚に対する効果が著しいために、美容目的で利用されているようですが、メディカルサロンでは、体調管理、容姿管理の素材として、利用ノウハウを大切に育てていくことにしました。

プラセンタをうまく利用して、メディカルサロンの会員が80歳、90歳になっても、50歳ぐらいと見間違えられるような肉体作りをしていく・・・そこには、実(じつ)のみを追求する従来の医学に対して、夢と花を感じます。

そのような夢のある世界を追い求めることができるのも健康管理学の世界なのです。実(じつ)のみを追求しなければいけない予防医学とは違うのです。

エッセイ一覧に戻る