HOME > エッセイ集 > 成長ホルモンは「若返り」のエースになれるのか?

月刊メディカルサロン「診断」

成長ホルモンは「若返り」のエースになれるのか?月刊メディカルサロン2002年12月号

広がり始めた成長ホルモンの波

成長ホルモンは「若返り」のエースになれるのか?2002年10月の大阪メディカルサロンでの診療日。その日の予約はいつもと異なっていました。普段から週に1度のペースでプラセンタを注射している人が、「風本先生に相談したいことがある」といって、予約がたくさん入っていたのです。何事だろう、と思って最初の一人とお会いしたところで、すぐに理由がわかりました。関西方面のテレビで、「成長ホルモンで若返る」という内容の番組が放送されたそうなのです。その番組では、アメリカの上品な老婦人が医師と相談しながら成長ホルモン注射をうち、見た目の姿が若返ると同時に、残りの人生に強い意志と夢を感じだしていく、という様子が描かれていたそうです。

成長ホルモンの作用のひとつに「ポシティブな生活になる」というのがありますが、それに焦点をあてられたのでしょう。もちろん、予約している人の相談は成長ホルモン注射についてです。

私は内心では、なんともいえない微妙な気分になりました。健康管理を寿命管理、体調管理、容姿管理に分類し、「若々しい姿を維持することも健康管理の一つである」と主張してきた私ですから、数年前から成長ホルモンには関心をもって、スプレー剤の開発にも取り組んで実際に利用していましたが、世間に広まるのはまだ先だろうと思っていたからです。

アメリカで発表しているデータでは、6ヶ月間の成長ホルモン自己注射で、筋肉発達、シワの消失、脂肪減少、スタミナ増加、肌の弾力性の回復、視力強化、記憶力回復、健全な生活とポジティブな生き方、熟睡、情緒安定、夜尿回数の減少など、いいことばかりになっています。

成長ホルモンの診療希望はこちら

健康管理の枠全体の中での容姿管理を

実は、メディカルサロンには1年以上も前から、成長ホルモンを注射している会員がいます。その人は70歳で、最前線で活躍している会社経営者です。1年前に、「最近、2階に上がるだけでも息切れがする。しかも手の甲もしわしわのおじいちゃんの手だ。覇気も沸いてこなくなくなった。先生、何とか若返ることはできませんか?」という相談を受けたとき、思い切って「成長ホルモンを注射しましょう」と話したのです。

週に5回の自己注射を行うようにしました。それから1年。その人は、4階まで息切れもせずに一気に駆け上がるようになっています。筋肉がどんどん発達するのが面白いらしく、毎日懸垂や腕立て伏せなどに励んで、筋肉隆々の身体になってきました。目じりや手の甲のしわも伸びてなくなってきました。彼を初めて見たメディカルサロンの新人スタッフは、「50歳くらいに見える」と言って驚いていました。何よりも本人には「人生が楽しくて仕方ない」という喜びが満ち溢れています。血液データを念入りに見ていますが、今のところ副作用らしいものは見当たりません。

そんなおりに、仙台に住んでいるある会員が私に尋ねてきました。「いつも言っている美容院の先生が急に若返った感じでオーラを発しているのです。聞いてみたらアメリカのクリニックから成長ホルモンをもらって注射しているというのです。成長ホルモンについて詳しく教えてください。」

不思議と最近の質問は、成長ホルモンに集中しています。「成長ホルモンで若返る」ということが、社会のある層で、じわりと普及してきたのでしょう。(芸能人の間ではもともと普及していました。若く見える女優さんのほとんどは成長ホルモンを利用しています。)

成長ホルモンはもともと体内に存在して、20歳までに「人体を成長させる」という重要な役割を演じるホルモンです。20歳をすぎると急速に濃度が低下し、以後は加齢とともに濃度が低下します。20歳の女性の皮膚がパンと張っているのに25歳にかけてしぼんでくるのは体内の成長ホルモンが減るからです。その成長ホルモンが減ることがシワや肌の弾力性の低下、筋力低下をもたらすのは医学的には間違いない事実です。

では、成長ホルモンを注射するとどうなるか・・・。見た目の姿が若返り、夢と希望が蘇るというのも確かです。もともと体内にあるホルモンを30歳の頃の体内濃度に増やすだけですので、目立った副作用はないようです。では、長期投与すればどうなるのか・・・。とんでもない長生きが期待できるのか、それとも・・・。

高齢化社会の進行に伴い、成長ホルモンの有意義性は高まることでしょう。成長ホルモンを希望する人がいたときは、本人の話を良く聞いた上で、利用するケースをきっちりと選びながら、健康管理の枠全体の中で上手に活用して、特に容姿管理のノウハウを高めていくことも、これからの健康管理指導では大切なことだろうと思います。

成長ホルモンの診療希望はこちら

※編集部より

この原稿が執筆されたのは、2002年10月のことです。月刊メディカルサロンの紙媒体でも記録が残っています。風本医師が率いるメディカルサロンにおいては、この時期で、プラセンタ注射の来院者が多数いたこと、成長ホルモンの医療にすでに取り組んでいたことは、驚愕に値します。
2017年9月27日

エッセイ一覧に戻る