月刊メディカルサロン「診断」
男女の恋愛と少子化対策の社会改革掲載日2026年1月31日
月刊メディカルサロン2月号
少子化の現状と根本原因
2024年の出生数が発表されました。生まれた子供は約70万人だったそうです。ベビーブームの全盛時代は年間で260万人以上が生まれたようですが、今は70万人以下です。平成中盤の頃のイメージでは、毎年100万人生まれて、100万人死ぬ、というイメージでしたので、出生数は減ったものです。
政府はこの少子化を防ぐために、保育施設の充実や出産一時金、児童手当、子供の医療費無償化、学費の無償化など、子育て費用の軽減を目論んで、いろいろな対策を立てて出費を続けていますが、改善の気配が見えません。「抜本的な改善策を行えていないからである」とそろそろ結論づけなければいけないように思いますが、いかがでしょうか?
少子化が進んで、人口が減ってもかまわないという説もあります。高齢者が多いうちに現役世代が減るのが問題なのであって、高齢者も少なくなれば、下の世代も少なくてかまわない、という論です。背景にはベビーブーム時代の大勢の高齢者の引退後生活を支えるために、当面は子供が必要であるが、それは今後の20~30年の間のことにすぎない、という割り切りです。それはそれで奥深い議論になりますが、ここでは、毎年の出生数は減ってはいけない、せめて微増しなければいけない、という前提で議論をすすめます。
基本的な動物的本能として、人も「子供を産んで育てたい」のは間違いありません。もちろん、心底から「子供を産みたくない」という人も一定の割合でいますが、その人が無理に子供を作って育てる必要はありません。
「子供を産んで育てたい」と思っている人が、スマートに子供を産めるようにすることが大切です。子供が欲しいのに、「子供を作るわけにいかない」という事情があるのが問題で、その問題を解決できていないから、子供が生まれないのです。
共働きになったから少子化が進んだ、という議論があります。しかし、それは本末転倒です。子供がたくさん生まれた時代のキーワードは、「専業主婦」でした。専業主婦ができなくなったから、子供が生まれなくなったのです。
男も女もそれぞれに独自の価値観があります。自由優先で婚姻生活を望まない男もいれば、家庭を持つことにあこがれを持つ男もいます。仕事が楽しくて、何をさておいても仕事していたいという女もいれば、専業主婦的な生活を望む女もいます。
問題の第一は、専業主婦生活を望む女性に専業主婦をさせてあげられないことなのです。なぜ、そうなったのかというと理由は単純明快で、専業主婦生活では生活資金が不足するからです。価値観が多様化し、「あれも欲しい、これも欲しい」が増える中で、男の収入が増えていないのが根本原因です。抜本的解決は、結婚生活を望む男のうち、善良な男の収入を増やすことですが、働き方改革など、政府は解決方向に逆行する政策を進めてしまいました。
専業主婦生活の現実と男女の人生経過
さて、善良な若い男の収入がそれなりに増えて、その男と同世代の女の専業主婦生活が再現できたとします。どんな生活になるのでしょうか?
男は家計第一に考えて、衣食への余計な出費を慎まなければいけません。女は子供第一に考えて、余計な出費を慎まなければいけません。結局、男によほどの甲斐性がない限り、生活は質素倹約が旨となります。ただし、妻を専業主婦にしているので、男は生活のすべてを仕事中心に据えることができます。子供は一人目が生まれたらすぐに二人目、三人目を作るのがいいですが、そこは夫婦の判断です。収入を増やすために男は24時間365日を仕事に励み、家庭サービスは年に2回の旅行に限定します。妻に不満を持たれないかと心配する必要はありません。子供に全エネルギーを費やしている妻は、夫には「あなたは邪魔だから、生活資金だけ持ってきてちょうだい」の気持ちになっています。
いつまで、その生活を続けるのでしょうか? 一番小さい子供が中学校に入学するまでです。中学生は、家事を含め、身の回りのことは立派にやり遂げることができます。もしできないなら、親が子離れできない育て方をしたときです。家庭を支える戦力として子供を見つめなければいけません。子供が皆中学生以上になった時点で、妻(母)は40歳前後です。今の40歳前後は見事なほどの容姿の若々しさがある上に、子育て過程で「この世には、思い通りにいかないものがある」を十分に経験していますので、社会復帰した時に、社会適応のリハビリ的トレーニングを受ければ、企業の重要戦力として活躍できるようになります。女は子育て終了後に、出産前の「蝶よ、花よ」ともてはやされた時代、子育ての時代の二つの時代を超えて、子育て終了後の第3の時代を楽しむことができるのです。
上記は、「男によほどの甲斐性がないかぎり」という前提の話です。
さて、話は変わって、男と女の人生経過を復習してみましょう。
人は社会人になれば、仕事をして収入を得ます。そして消費生活を営みます。家賃、食費、衣料品などの最低限の生活出費を除くと、若いころの出費と言えば、男は女遊びに対する出費で、女は美容に対する出費です。
男にとっては、結婚して家庭を築こう、という意思のない恋愛はすべて女遊びです(ただし、別格的な男女関係はありますが、ここでは述べません)。男の女遊びの出費は、風俗を含め、その場限りの現金払いです。女遊び出費を最小にした男には貯金が増えていきます。賭け事に対する出費で身を崩す男もいますが、それは論外ですので、本稿では検討外にします。趣味と見栄が重なって、車をローンで買う男はいます。
女には美容に対する出費にローンが普及しています。しかも、「若いうちでないと楽しめないのよ」というセールストークに女は弱く、無いお金を使ってしまうので、ついついローン残高が増えてくことがあります。美容への出費を最小にした女は貯金が増えていきます。
世の中はうまくできているもので、男の女遊び出費と女の美容出費、ローン返済が、合体して、いわゆる「援助交際」が普及しています。
ちょっとお値段が高い焼鳥屋に行くと、座っている客は、現役後半から引退すぐくらいの年齢の男と若い女性の組み合わせばかりです。若者どうしの組み合わせはまずありません。
実はここに少子化を解決する突破口が見えるように思うのです。
年の差婚と少子化打開策
2008年のリーマンショックの前までは年齢差のある男女に対して、世間の目は冷たかったものです。50歳以上の男と20歳代の女は、世間の目を気にしなければいけない恋愛形式をとっていました。今は死後となった「愛人」という語まであったくらいです。ある元お笑いチームの男とその30歳以上年下の女との結婚に対して、「財産目当てだろう」などと非難する論調があったくらいです(実はあれは嫉妬している論調ですが)。
もともと専業主婦の時代、男には3つの財布がありました。一つが事業用財布、もう一つが愛人用財布、そしてもう一つが家庭用財布です。事業用財布は1000万円が安く、愛人用財布は10万円が安く、家庭用財布は1万円が高いのです。
共働きの時代になって、子育て世帯が減り、家庭用財布の重々しさが低下し、ある変化が生じました。
時代は大変なスピードで進歩し、年齢差のある男女のデート現場が当たり前のようになってはいますが、女にとっては「お金目当て」だけと断言できるものではありません。女が生理的嫌悪を感じる男に心を寄せていくことはありません。生理的嫌悪を感じても身体を合わせていくのは風俗業界に限ります。年の差がある男女も、逢瀬を重ねるうちに恋愛感情へと進化するのです。
いかに生活的な援助が関与している交際であるとしても、年上の男に妻がいるなら、女は半身を引いて構えざるを得ません。妻がいる男は「妻とは破綻しているから」などと噓をついてはいけません。半身を引かせていることに寂しさを感じるかもしれませんが、割り切って半身を引いておいてもらわなければいけないのです。もちろん、本来はそんな恋愛はダメのはずですが。
ところが、50歳を超えていても、男が独身であるなら、様相は変わります。気に入った女性に対して、婚姻を求めることができるのです。女も半身を引く必要はなく、真正面からその男を見つめることができます。男には50歳までまじめに仕事をして蓄えてきた財産があります。そして、女性を専業主婦にしてあげる収入があります。女はその男と結婚すると仕事をしないで、生活資金の不安なく子育てができるのです。
前述した「善良な若い男の収入がそれなりに増えて、その男と同世代の女の専業主婦生活が再現できたとします。どんな生活になるのでしょうか?」の部分を「善良な人生努力を続けて生涯を安心して暮らせる資金を蓄えた男と結婚して専業主婦生活ができたとします。どんな生活ができるのでしょうか?」に置き換えてみてください。
どんなストーリーが想像できるでしょうか? 生活を切り詰める必要はなく、男は余裕をもって子育てを手伝うこともでき、家族サービスの回数は増えます。ベビーシッターも雇えるので、子育ては楽になります。妻は、美容を意識することもできます。
しかも、子育てが終了し、妻が社会で活躍する頃、その男は80歳を超えて、間もなく死を迎えます。まだ若々しい妻に、多くの財産を残して死んであげることができるのです。妻は、その遺産を受け取り、望むのなら、若い男の育成に努めることもできるのです。
問題は子育て終了後の再就職です。子育てにより「この世には思い通りにいかないものがある」を知った女は強いので、就職した時にどのような地位を与えられるか、どのように出世して行くか、が楽しみです。政府が取り組まなければいけないのは、子育て終了後女性の社会復帰システムなのです。
政府への提言
男女の組み合わせがどのように変化するのかは、社会の流れに任せるしかありません。しかし、少子化対策を考えて、若い女性に子供を産んでほしいならば、50歳以上男性と20歳代女性の婚姻を奨励する政策を展開するのもありとなります。
それは、子育て資金を政府が直接的に母親に支援してあげられず、夫の生活力に頼らせるという政策ですから、「年の差婚姻」を奨励する補助金を設定してみるのもあり得ます。同時に、子育て終了後の女の社会復帰システムを充実させるのです。
少子化の原因と社会風潮を考え合わせると、「生涯の安定」を確保できた50歳以上の男性と20歳代女性の婚姻に、社会が大歓迎の意を示し、「後ろめたさ」を消滅させて、むしろ大奨励することがいいように思うのですが、いかがでしょうか?
政府の任務は、「年の差婚」に不自然な印象が伴わないように差配することと、子育て終了後人生の社会復帰の支援システムを作ることです。
男は、女遊び、見栄を最小にして、貯金に励み、貯金の適正投資により「お金がお金を生み出す」の生活が確保できるまでは「半人前である」と定義し、一人前になるまで結婚するわけにはいかない、という社会風潮にすれば、男と女の過不足がうまくかみ合い、少子化は防げるかもしれません。
でもまあ、そんなことを言っていたら、中高年男性は若い女性に気に入られるために、そして、若い男性は未亡人に気に入られるために・・・・近年に芽生えた「男の美容」がますます発展するだけかもしれませんけど。
